[ 人の話 ] 2000年10月25日 第331号

今年の全国障害者漫画フェスティバル(主催 喜びの福祉館)では、母子が並んで当選する事が起こった.
障害者部門で、母親のホン・ミギョン(34)さんがカートゥーン部門で金賞を,
健常者部門でホン・ソンフン(12)君が特別賞を受けたのである.
ソンフンくんの作品タイトルは‘支えてくれるお母さん’.
ひとりで自分を苦労しながら育てたお母さんに対する愛を込めた作品だ.
ソンフンくんが五歳の時,
脊椎がよくなかったお母さんのホンさんは手術を受けるうちに、永遠に腰を使うことができなくなってしまった.
“ぼくは、ひとりで育ったわけではありません.
男なので、普段はあまり言わないけど、ときどき、お母さんと話すと、ママをとても好きだと思うことがあります.”
ホンさんは手術を受けた後の初めの一年は全く動くことさえできなくて、ベッドに横になりながら排泄物まで、他人に頼らなければならなかった.
翌年夏頃になって、やっと一人で少しずつ動くことができるようになった.
今でも車椅子に頼っているホンさんの金賞作品は、そのためか、車椅子に乗った障害者に関する絵だ.
タイトルは ‘見える 見られる’.
前がふさがれて見えなくて、首を何度も伸ばしている車椅子に乗った障害者の首が長くなったという内容だ.
漫画はホンさんにとって、自己表現の手段であるだけでなく、生計維持の手段でもある.
児童図書出版社のために、童画を八コマ漫画で作ることが彼女がする仕事,
ここから入る収入と政府補助金でホンさんの三人家族は生きていく.
未婚の母として産んだソンフンくん, 2年前離婚した夫との間の子のから娘
ウンジ(5), そして ホン・ミギョンさん.
“二人目の子を産んだ時にうれしかっただけに、挫折も大きかったようです.
ソンフンくんが産まれた時は、実家のお母さんがたくさん手助けしてくれたが、二人目の子の時は、それができなかったんですよ.”
赤ん坊を世話する過程一つ一つが試験だった.
ミルクを飲ませたり、赤ん坊を抱く簡単な動作も、ホンさんにはつらい事だった.
今、ウンジはちょっとはお手伝いをする程にしっかりとした五歳の子だ.
つまり、ホンさんは二人の子供の母親であり,
一家の家長であるわけであり, 漫画家である障害者というわけだ.
あまりにも荷物をたくさん背負った憂鬱な人ではないかと思うだろうか?
自身を‘ミッシー
ホン’だと紹介する、明るい生活人でもあるのだ.
子供たちを育てる時に感じたことが生々しく描かれた,
漫画の中では<ベビーブルース>を一番好きだという.
アニメーションの中からは<白い心 白球>を好きだというホンさんは、“<白い心
白球>のように、流行に乗らない漫画,
生活の中の穏やかな話が素材の漫画,
疎外された人々の話を扱った漫画を描いてみたいですよ”と、自身の夢を明らかにした.
ホンさんとソンフンくんの作品には、10月27日から30日までソウル
アニメーションセンターで会うことができる.
イ・ミナ記者mina@hani.co.kr
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