孤独な戦いだった.
98年8月、蔚山 現代自動車食堂組合員 144人が集団解雇させられた時,
誰も聞かなかった. “なぜ、わざわざ女性なのか?”と. 99年8月から10ケ月間、朝出勤闘争,
2000年5月10日、天幕座り込み, 5月22日、19人落髪闘争, 5月27日、8人断食座り込み.
そうしたあげく、6月2日には上服を脱いで、“元職に復職できないのなら自決する”と、会社本館を占拠した.
だが、老いた女性労働者たちの叫びに答える人は誰もいなかった.
会社も, 言論も, なんと、労働組合までも.
このおばさんたちと共に闘ってきた人々がいる. イ・ヘラン(29),
ソ・ウンジュ(27), パク・ジョンスク(29・ 写真左側から)さん.
労働者映像事業団‘希望’の、女性映画労働者たちだ.
彼女たちは、3年もの間、おばさんたちと共に食べて寝て、カメラをまわした.
蔚山に行く交通費や, フィルムを買うお金がなくて、働いた.
天幕座込み場の冷たい地面もいとわなかった.
時には、カメラを持っての体当りまで繰り広げなければならなかった.
何よりも難しかったのは、これが、終わりが見えない戦いだということだった.
しかし、彼女たちは‘食堂アジュマ’たちの戦いに終わりまで共にいた.
そして、‘唯一の観察者’としての役割を尽くした.
その結果は、ドキュメンタリー<平行線>だ.
資本と労働の拮抗した平行線であり,
女性と男性の終りのない平行線でもある.
‘144人は、永遠に整理解雇者になった’という字幕で、ドキュメンタリーは終わる.
さる6月9日、女性解雇者たちが元職復職が含まれていない‘合意案’を受け入れたためだ.
労働組合さえ、彼女たちの復職に積極的でない現実では、やむを得ない選択だった.
だからと言って、このドキュメンタリーが‘敗北の記録’であるだけではない.
‘希望’の代表 パク・ジョンスク(29)さんは、希望を見たと話す.
“純朴に生きてきたおばさんたちが、女性として,
労働者として、自分自身を悟っていく過程を生き生きと目撃できました.
また、からだを休めて,
今後も堂々とした女性労働者として生きていくだろうと信じます.
もちろん、労組内部に根強く残っていた女性に対する差別も、きっと消えていくでしょうし.”
今後も‘希望’は、女性労働者ドキュメンタリーをシリーズとして継続する考えだ.
日が経つほど、女性労働者の現実はむしろ劣悪になっているのが理由だ.
<平行線>を上映したい団体は、02-831-8895に電話するか、sthope@jinbo.netにメールを送ればよい.
シン・ユン・ドンオク記者
syuk@hani.co.kr
ハンギョレ21 2000年 06月 22日 第313号 .
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