
季節の女王 5月のまん中に入っている. 1年中の野外遠出で、このように活気あふれる時はない.
若緑色に染まった山麓は、花と紅葉が比肩することなどできないほど、爽やかで絢爛だ.
ソウルと春川をつなぐ京春国道は、ソウルと京仁(ソウル・仁川)地方から、野外遠出の道としてまず指を折る.
特に、初夏のこの道は、大小の山々が交わる姿が美しいことこの上もなく,
青い河川と湖がその美しさを増幅させる.
交通の便も多様で、汽車やバス,
どれも気楽で、特に川辺を走る汽車は、乗客の大部分が旅行者なので、遠出の雰囲気がいっそう大きい.
この道の終わりが春川だ.
湖畔の都市と称するだけ、山と水光が交わっている所として絶景で,
その有名な春川うどんと春川鶏のカルビの本場でもある.
その外に葛のうどんをはじめとする、淡水魚刺身と海産物の辛口スープ,
韓牛カルビ等、春川でなければ味わえない珍味が豊かだ.
このうちの春川鶏のカルビは、既に全国の料理路地ごとに、その中心にあって大衆的な人気を享受して久しい.
だが、その味の真髄は、やはり本場春川に比べることは出来ない.
春川鶏のカルビは、その来歴がうどんと共に、ずいぶん素朴で庶民的だ.
春川の明洞鶏のカルビ路地をながめると、その素朴さを目で確認することができる.
新しくできた春川の有名鶏カルビ店を訪ねても、やはり、誰にも負担がないままに、子供や老人まで容易に接近できて,
感動の味を感じることができる.
一言で、私たちの好みと固有の情緒がぎっしりと滲みでる味を持った、代表的な庶民の味ではないかと思う.
春川鶏のカルビは、料理過程も単純だ.
新鮮な地鶏をさばいて、土幕内ニンニクと粉トウガラシ,
ごま油を基本にした焼き肉のたれに合うような野菜と一緒に炒めて、即席で作るものだ.
濃い目の薬味と焼く方法の効果なのかはわからないけれど、全く鶏肉ではないかようにコシが強い質感が息をふきかえして,
どの部位でも区別なしにうまみを出しいる.
さらに、調理方法が単純で、味の競争が始まりながら鶏のさばきかたも多様になり、‘骨付き鶏カルビ’と‘骨なし鶏カルビ’が区別されて,
唐辛子みそたれの土地産鶏のカルビと、ケチャップソースを加味した、新世代の鶏カルビまで生まれている.
自分の好み通りに食べられるほど味が多様だが,
最近、本場春川ではむしろ草創期の味の振り出しに戻る傾向がある.
最も差別化されることが焼く方法なのであるが,
焼き板ではなく焼き網を利用して、真の炭火で焼いて葉物で包んだり、刻んだ野菜を付け加えて食べる.
韓牛カルビ以上の軟らかくて、口にうれしい質感が、多分に春川鶏のカルビだけの境地で,
歴史のある家であるほど、最後に即席でうどんを出してくれて、座った席で春川の珍味を全て満喫できる.
このひとの味/ ファントチブ キム・オシク氏
夫婦
薬味と鶏カルビを黄土火鉢になじませて
ファントチブは、最近ブームが起きている炭火鶏カルビ店の中で最も顧客層が厚い所だ.
アーチ型にできた新しいソヤン橋からソヤン湖側に3.5kmくらい行ったヨウ(きつね)峠前に位置を占めている.
主人 キム・オシク(49)氏夫婦は、このサウ洞村で養豚場をしながら、直接育てた豚肉を炭火焼きで出す方法を試みたが、顧客の要請で炭火鶏カルビを付け加えたことから、火がつくように人気が爆発し、鶏カルビ専門店の新しい名所として浮上した.
週末ならば、ソウルと京仁(ソウル・仁川)地域から汽車便で春川駅におりる顧客のために用意したシャトル車両が休む間もない程に忙しくお客さんを積み出している.
ここの鶏カルビは、国内で唯一KS認証を受けた(株)ハリムの鶏の足だけを、骨を片方に残したまま、韓牛カルビのような状態で薬味に漬けこんで、焼き網にのせて焼く.
黄土を塗った大きな火鉢は、火が燃え上がらない、つりあった状態を維持するように灰をたっぷり敷いて、鶏肉が焦げずに徐々に火が通って、顧客が直接焼くにも不便がない.
赤く薬味がしみこんだ鶏の足に炭のにおいが若干滲みこむけれど、新鮮な味が焼き板で焼いた鶏カルビと比較しようもなく,
韓牛カルビや豚カルビに比べることが出来ないほど軟らかい.
価格も、1人分x3つを基準に8千ウォン. 5〜6種類の冷たいおかずと共に、玉ネギと野菜を刻んでからしソースをかけた一皿が付け加えられて、口をさっとけじめを付ける.
直接打ってゆでたうどんも、専門店水準の味なので、最後の食事兼珍味としても遜色がない.
ハンギョレ21 2000年 05月 18日 第308号 .
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