2000年4月ハンギョレ21 304号 hangyore00304cover.jpg (11087 バイト)

文化:光州に行けば人間が見える?


新しい千年を迎えて開かれる2000光州ビエンナーレ… アジア性を前面に押し出した作品がめだつ

hangyore00304_1.jpg (15516 バイト)(写真/'人+間'という主題で、3年ぶりでひらかれた光州ビエンナーレ. 地球村時代を生きていく人類の希望と夢を展示している)

桜の花真っさかりの光州に芸術の香りが一杯だ. 今年で3回を迎える国際美術展示2000光州ビエンナーレが、光州市北区ヨンプン洞チュンウィ公園で開かれている. 2年に一度開かなければならないビエンナーレの原則を曲げて、今年の行事は97年の第2回以後、3年ぶりでひらくトリエンナーレとしてなされた. その間、各種の試行錯誤を体験しながら、新しい千年を迎えて、行事の意味を刷新しようとする刻苦の結果だ. また、今年で20周年を迎える、5・18光州民主化抗争も行事の重さを加えた.

2000光州ビエンナーレは、大きく分けて本展示と特別展とで構成されている. また、光州市民の参加が目に付く映像展と多様な付帯行事を開いていて、美術に門外漢の一般人も、週末を使って芸術の香りに一度は染まることができる.


倣うのはそこまで, アジア芸術祭指向


(写真/スィリン・ネシャト<無際-歓喜シリーズ>))hangyore00304_2.jpg (17775 バイト)


ビエンナーレ本展示館殿にいく道で初めて出会う作品は、英国彫刻家のアンソニー・ゴムリの向かい合っている人体像<流離した極点>. この作品は、‘人(man)+間(space)’という今回の行事の抽象的な主題を観客に暗に解いてみせる. 実物の大きさの二人の人間には腕の代わりに大きな翼が付いている. 天上と地上を連結するこの翼は、人を間として連結させる媒介体. この展示物で簡単な基礎学習をして、展示館内部に入っていけば、出会うのがアジア館だ. アジアと北米, 韓国・オセアニア, ヨーロッパ・アフリカ, 中・南米, 5館で構成された本展示中で、アジアが頭を飾ることは、2000光州ビエンナーレの特別な選択だ. 1, 2回を体験しながら光州ビエンナーレは、外国のビエンナーレを模倣しているという、苛酷な批判を受けた. アジア性は、国際ビエンナーレとして、正体と実体性を持つために今回の光州ビエンナーレが前面に押し出した話の種だ. これまでの行事に比べて、明確に増えたアジア作家の参加も、やはり、こういう脈絡の選択だ.

hangyore00304_3.jpg (10469 バイト)(写真/ジャンシアオガンの<大家族16番>)

世界の美術界で相変らず辺方に属するアジア圏の作家たちが注目しているのは、傷の歴史だ. インドの作家 ナリニ・マラニの設置作品<トバテク・シンを記憶して>は、強大国と弱小国, 支配国と属国間で、正体と実体性を喪失したアジア民族の問題を悲観的な状況で映像化する. 難民が使用した12個のトランクに内蔵されたモニターには、ボスニア戦争, ビキニ環礁での原爆実験場面, それによって奇形児として生まれた人々の姿が込められている.
作家は科学発展によって豊饒を楽しむ西欧人と克明に対称になる辺方国民族の運命を淡々と見せている. 中国作家 ジャンシアオガンの絵画<大家族>シリーズは、ホ・シャオシェンの映画<非情城市>の家族写真を連想させる. 屈曲の多い現代史を経て、揺れて崩れる家族に対する作家の憐憫に充ちた視線を感じることができる作品だ.

アジア館を過ぎて出会う北米館は、人と間の間では人に中心をおく西欧の個人主義的な世界観と会う場だ. ここの主題は‘自画像’だ. 西欧の作家が自身をながめる視線、在米作家ニッキー・リーの写真作品は、人間の正体と実体性をすなわち物性に還元するおもしろい実験だ. <ヤッピープロジェクト> <パンクプロジェクト> <老人プロジェクト>等に分れている作品は、その状況に合うように扮装した作家自身と、道で会う似た人々を自動カメラにスチールで収めた. 北米館には、作品の間に大きな鏡を設置し、観客自らが瞬間的な自画像の作家になるように誘導する.

9名の作家が参加した韓国館は、迷路のように連結している他の展示館とは違い、一つに開かれていて独特だ. この中で、まず目につく作品は美術記者賞を受賞したキム・ホソクの<歴史の行列>だ. 水墨で4・19 革命から釜馬抗争, 労働者貧民運動, 5月光州抗争, 87年 6月抗争に達する‘韓国近現代民主化運動史’を、パノラマ式に描き出した群衆画だ. 同胞2世作家 バイロン・キムの<ボンオリ(私が知っている、あらゆる韓国語)>は、封筒や領収書等、道端で拾って集めた紙に自身が知っている韓国語の単語を書きことで、自身と母国との関係に焦点を合わせる.


迷路展示館を過ぎれば近現代史がひと目で

(写真/キム・ジューンの<バラクラブ>) hangyore00304_4.jpg (10644 バイト)


‘ユーラフリカ’と命名されたヨーロッパ・アフリカ館は、相変らず芸術の中心地のヨーロッパと疎外地である中東地域とアフリカをつなぐ. 印象的なことは、ヨーロッパ側でフランス, ドイツ等のヨーロッパ美術の中心地を排除して、スカンジナビア3国等のヨーロッパ美術のマイナー地域の展示を構成したということだ. イランの作家スィリン・ネシャトの映像物<無際(歓喜シリーズ)>は、今回、大賞を受けた作品. 向かい合うように作られた、二つの白黒スクリーンに二つの短いフィルムが同時に映される. 一方は、群れをなしたイラン男性たちの権威的な集団の動きを見せて、もう一方は、チャドルを被った女性等の姿を見せる. 二編は別々に動いている途中で、お互いの動きを凝視することもある. スィリン・ネシャトは、特別展の‘人間と性’で、同じ展示コンセプトで, 歌うイラン男女を多分にコミカルに対称させる<タブロント>を出品し、観客に深い印象を植え付けた. 映画のようにエンディング字幕まで流れるネシャト作品は、芸術ジャンル間の壁が崩れる流れを反映している.

5個の特別展中で、‘芸術と人権’展が本展示のような建物で開かれることは、ビエンナーレが5・18(註:光州事件)20周年に置く重さを暗示する大きなテーマだ. 世界各国35名の作家が参加した、この展示は、帝国主義と資本主義, 宗教と民族の名前でじゅうりんされた人権の現実を懸案別に分類して展示している. 故 オ・ユンとシン・ハクチョル, キム・インス, 日本のトミヤマ タエコ(註:翻訳段階では未確認)等、代表的な参加作家に会える. ただし、5・18関連作品が相対的に小さな部分を占めていて、日本のキュレーターが展示を演出し、日本作家の作品が主流を形成したという点が観客には残念さとして残る.

今回のビエンナーレで除くことができない展示として映像部門がある. チェ・ミン総監督体制時から新しい芸術形態として野心に満ちて準備してきた映像展は、オ・グァンス監督体制に変わりながら、事実上添え物的境遇になった. 他の展示に比べて財政的な面でも広報でも、他の支援を受けていないままで孤軍奮闘の過程を通じて準備された. それでも、本展示にまけないくらい多彩な展示形態を見せて、若者達を中心に観客の足が絶えない所だ. テクノロジーに対する偶像崇拝として流される映像芸術の流れに対する反旗であるビエンナーレの映像展は、ローテク(註:Low tech)に焦点を合せている. 展示のタイトルも‘傷’だ.

この展示を企画したキュレーター イ・ソブ氏は“私達が使用することができる機械的属性に対する簡単な 解だけで、映像的表現が可能だということを見せて、ハイテクノロジーが持ってくる借り物, にせ物, 幻想、から抜け出すために、ローテクに焦点をおいた”と企画意図を伝える. こちらでは、観客の参加がどんな展示よりもめだつのに、直接コンピュータを操作しながら鑑賞するウェブアート, 20余台のビデオを設置して、観客がよりどり見れるように準備した137編の独立ドキュメンタリーとアニメーションが代表的な例だ. それだけでなく、写真展‘光州から殺気’では、三名の作家が、子供, 学生, 主婦等の光州市民と共に作業して, 全南地域住民たちと共に地域問題を映像物に作って、毎週 日曜日に光州放送で<フォーカス21>というタイトルで放映し、パブリックアクセス概念を積極的に活用したのみだけでなく、展示空間をTV媒体に拡張したという評価を受けている.


町内の祭りに留まっても 春の遠出に適格

hangyore00304_5.jpg (19881 バイト)(写真/野外展示に作られた特別展 '人間の林, 会話の林')

第3回を準備する過程でも、光州ビエンナーレは首長が変わって、参加作家が集団辞退するなど、大小の波風を体験した. まだ国際的位相にたどり着かないまま、町内の祭りで終わるという皮肉もなかなか消えない. しかし、週末を使って世界的な美術の流れを一度味わうことも、2年に一度だけ享受することができる大切な機会だ. ただし、わざわざこちらにくる時、こころして置くことは、欲張らないことだ. 消化不良にかからないでビエンナーレを楽しむためには、あらゆる作品に瞳を凝らそうとは考えず、のんびり回るのが良い. 何日間かの余裕でくるならば、こちらで連係して運営しているシャトルバスに乗って、伝統田園の潭陽のソセウォン, ‘王人文化祝祭’と‘土の芸術祭’が開かれている霊岩に行ってくることも、遠出を実り多くする良い方法だ.


◇6月7日まで. 入場料: おとな 1万2千ウォン, 青少年 9千ウォン, 子供 5千ウォン. 光州空港と駅, 高速バスターミナルから30分間隔でビエンナーレ行 シャトルバスを運行している. 問い合わせ 062-524-4722.

キム・ウンヒョン記者
dmsgud@hani.co.kr

ハンギョレ21 2000年 04月 20日 第304号 .


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