2000年4月ハンギョレ21 303号

文化: 聞こえるか, 漫画の声が!


初作品集 <呼兄呼弟>を編集して出した 漫画家 イ・ギョンソク… 転覆を夢見て、既存の価値に挑戦

hangyore00303_21.jpg (16714 バイト)(イ・ギョンソクの漫画は、独特な線と悪趣味的なユーモアで、非主流漫画の独自的領域を構築した)

イ・ギョンソク(29)の漫画は、あらゆる人に愉快なものではない. 落書きのようにむやみに重なる線, 善男善女とはかけ離れた登場人物, ‘ジュル〜ジュル’, ‘シュワー〜’ 音響効果まで加った分泌物の臭いのユーモア. 主流漫画では好まれない条件をおしなべて揃えた彼は、それで、アンダーグラウンド漫画家, インディ漫画家と呼ばれた. 彼が活動した空間もやはり <ヒステリー>や <ファンジン ゴン>のように、非主流漫画家たちの集る媒体であった. 93年にデビュー、95年から専業作家の道に入ったが、今回出された<呼兄呼弟>(マジックス)は、価格を付けて出された、彼の初めての作品集だ.


-主流雑誌を通じてデビューしましたが、これまでは印刷媒体で見るのが難しかったですね.

=93年 <デンギ>という雑誌の公募展で当選しました. でも、次の月に作品を持って行くと、“絵ではない.” “女が女ではないようだ”などとこき下ろされて、掲載を拒否されたのです. その時にたいへん傷つき、その後、同好会で主に活動していました. 最近は、主にウェブジンに連載しています

.

-意図的に商業性を排除するのですか.

=そんなことはありません. 職場を辞めて、専業作家の世界に飛込みながら、商業的成功を収めてみたかったし、今でもそうです. でも、これまでお金を払ってくれていた雑誌はみななくなって、原稿料のない所だけがずっと継続してきて、そちらで仕事をしてきただけです. しかし、ぼくのスタイルを変えて、よく売れる作家になりたいとは思いません.



-生計はどのようにしていますか.
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=いろいろなアルバイトをしてきた中で、3年前から新聞配達をしてきていて、 販売所で食べて寝ながら、余った時間に作業をしました(産業デザインを専攻したイ・ギョンソクは、専業作家デビュー前は広告会社のデザイナーとして活動した). 2月から連載を始めた漫画ウェブサイト ‘カートゥーンP’(www.cartoonp.com)から、(ぼくの基準では) かなりの原稿料が出て、作業室を用意しました. 次月から‘本物’の専業作家として仕事をします.




-ある評論家は、イ・ギョンソクさんの 作品を‘楽しい転覆’だと評しました. 転覆したいのですか, 何を.

=既成世代が要求する価値観に反発したいのです. ぼくの漫画に登場する人々は、汚らしくてお金もなくて, 既成世代から見たら、社会の不適応者で, 落伍者です. しかし、単にネクタイを結ばず、毎日出勤しないからと、彼らが落伍者だと烙印を押すのは、誤った考えではないでしょうか.


-足の臭い, 口臭い, 汗臭い, ふけ等、悪趣味なギャグが頻繁に登場する理由はなんでしょうか.

=汗のような分泌物は労働の結果です. 懸命に生きる人々はこういうことを隠して生きないけれど、既成世代はいつもこざっぱりしているように包装して、他の人たちにもそれを強要します. ぼくの作品では、抑圧を受けている人々が、支配階層により嫌悪される要素で彼らをはね飛ばすのです. 主人公を追ってきた警察が、口の臭さで窒息して倒れるとか、という風に.



-‘イバルショポルノ氏’というバンドの客員ボーカルとしても活動されていますね.

=むかしからロック音楽が好きで、バンドもしたかったんです. <ロッカーの香り>を初めての連載物として作ったのもそのような理由です. ‘イバルショポルノ氏’は、ヒステリー メンバーだった シン・イルソプさんと一緒に作って、二人がボーカルを受け持っています. 私の歌はあまりうまくないけど、イルソプ兄さんはもう少しうまいですよ. (笑) 音楽も漫画作業の延長線上にあるんです. さる2月に出された1集には、<ダルペメン>を, 今回の夏に出される2集には、<金剛保安警と越境騒動>という作品の主題曲を収めました. 音楽も公演自体も漫画的に表現するのです.


-これからの計画は.

=作業室ができたので、作業により一層没頭できるでしょう. 今までは3〜4時間程度寝て仕事をしても、いつも絶対時間が不足していました. ‘カートゥーンP’と ウェブジン‘コミックス’の連載を、まず充実させます. 5月には、<ヒステリー>に連載した <ダルベメン>に手を入れて、単行本として出すことになります. 本がたくさん売れて、お金もたくさん儲けられれば良い(“本当にたくさん売れると思いますか?”という記者の質問に イ・ギョンソクは笑いで返事に代えた).

キム・ウンヒョン 記者
dmsgud@hani.co.kr



ハンギョレ21 2000年 04月 13日 第303号 .



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